東北のIT企業M&A・会社売却|相場・エンジニア評価・成功のポイントを徹底解説 | 東北M&A総研マガジン

東北のIT企業M&A・会社売却|相場・エンジニア評価・成功のポイントを徹底解説

東北でIT企業・Web事業の売却を検討中の経営者様へ。本記事では、SES・受託開発・自社サービスといった業態別の売却相場や、エンジニアの技術力を適正に評価してもらうためのポイントを徹底解説します。

目次

  1. 東北のIT業界におけるM&A動向と人材獲得競争
  2. 【業態別】東北IT企業の売却相場と評価ポイント
  3. IT企業の売却価格を左右する無形資産の可視化
  4. M&A後のエンジニア離職を防ぐPMI(統合)戦略
  5. 東北のIT企業がM&A仲介会社を選ぶ基準
  6. M&A総合研究所が東北のIT企業M&Aに強い理由
  7. 東北エリアのIT・Web関連M&A成功事例
  8. 売却前にやっておくべきチェックリスト
  9. まとめ

デジタルトランスフォーメーションの加速に伴い、ITエンジニアの不足は日本全国で深刻化の一途をたどっています。この波は東北地方にも押し寄せ、これまでコストメリットのあるニアショア開発拠点と見なされていた東北のIT企業が、今や優秀なエンジニアチームを確保するための戦略的拠点として、首都圏の大手企業や事業会社から熱視線を浴びています。

「エンジニアの採用が難しく、事業拡大のチャンスを逃している」 「受託開発だけでなく、自社サービスを立ち上げたいが資金が足りない」 「創業から育ててきた会社を、より大きな資本のグループに入れて成長させたい」

このような悩みを抱える東北のIT経営者様にとって、M&Aは、単なる出口ではなく、会社を次のステージへと押し上げるための有効な成長戦略となります。特に、会津大学や東北大学といった優秀な理系人材を擁する東北エリアのポテンシャルは、市場で極めて高く評価されています。

本記事では、東北のIT企業における最新のM&A動向から、SES・SIer・自社サービスといった業態別の企業価値評価の仕組み、さらには売却後のエンジニア離職を防ぐための統合戦略まで、IT業界特有のM&A実務を網羅的に解説します。技術と人を守り、企業の価値を最大化するための手引きとしてご活用ください。

東北のIT業界におけるM&A動向と人材獲得競争

東北エリア、特に宮城県仙台市やスマートシティとして注目される福島県会津若松市などを拠点とするIT企業のM&A市場は、かつてない活況を呈しています。その背景にあるのは、首都圏企業による人材獲得型M&Aの加速です。

これまで、東京のIT企業にとって東北の拠点は、人件費の安さを活かしたニアショア開発としての位置付けが主流でした。しかし、2025年現在、その認識は劇的に変化しています。全国的なエンジニア不足により、東京では採用単価が高騰し続けており、一人前のエンジニアを採用するために数百万のコストと数ヶ月の期間がかかることも珍しくありません。

そのため、すでにチームとして機能し、開発体制が整っている地方のIT企業を会社ごと買収する方が、採用コストや育成期間を考慮しても圧倒的に合理的であるという経営判断が定着してきました。

さらに、コロナ禍を経てフルリモートワークが標準化したことも、この流れを後押ししています。物理的な距離がハンデにならなくなったことで、東京の企業は東北に拠点を置いたまま、東京水準の仕事と待遇を提供できるようになりました。特に、東北大学や会津大学などの優秀な情報系大学・学部が存在する東北エリアは、真面目で定着率の高い質の高いエンジニアの供給源として再評価されています。

この結果、東北のIT企業には、同業の大手SIerだけでなく、内製化を進めたい事業会社やDXを推進したい異業種からの買収オファーが殺到しており、売り手市場の様相を呈しています。

【業態別】東北IT企業の売却相場と評価ポイント

一口にIT企業と言っても、そのビジネスモデルによってM&Aにおける評価軸や相場の考え方は大きく異なります。

自社の事業がSESなのか、受託開発なのか、あるいは自社サービスなのかによって、買い手が重視するポイントは変わります。ここでは、業態ごとの具体的な評価ポイントと、東北企業ならではの査定事情について解説します。

SES・人材派遣(エンジニア数 × 単価)

システムエンジニアリングサービスや人材派遣業の場合、企業価値は基本的に稼働エンジニア数と一人あたりの平均単価、そして稼働率の掛け合わせで決まります。

この業態では、設備などの資産はほとんどないため、収益を生み出す源泉であるエンジニアの人数がそのまま評価額に直結します。特に評価が高くなるのは、商流の浅い案件を持ち、高い単価を維持しているケースです。東北のSES企業の場合、地場の案件だけではどうしても単価が低くなりがちですが、リモートワークを活用して首都圏の高単価案件を受注している企業は、高い収益性を叩き出しており、東京の企業と同等のマルチプルで評価される傾向にあります。

逆に、待機社員が多い場合や、特定の取引先に依存しすぎている場合は、リスク要因としてディスカウントされる可能性があります。

受託開発・SIer(顧客基盤 × 技術力)

顧客からシステム開発を請け負う受託開発会社やSIerの場合、誰と取引しているかとどのような開発体制かが重視されます。

東北においては、自治体や官公庁、あるいは地元のインフラ企業などの安定した優良顧客と直接取引を持っていることが最大の強みとなります。これらの顧客との長年の信頼関係は、新規参入が難しい参入障壁となるため、買い手企業にとって非常に魅力的です。

一方で、技術スタックがCOBOLなどのレガシーな技術に偏っている場合や、特定のプロジェクトマネージャーの属人的な能力に依存しており組織化されていない場合は、将来性の観点から評価が伸び悩むことがあります。モダンな開発環境への対応力や、チームでの開発実績をアピールすることが重要です。

自社サービス・Web事業(将来性 × ユーザー数)

SaaSやWebメディア、アプリなどの自社プロダクトを持つ企業の場合、現在の営業利益よりも、将来の成長性やユーザー基盤が評価の主軸となります。

赤字であっても、ARRやMRRが右肩上がりで成長しており、解約率が低く抑えられていれば、将来キャッシュフローへの期待値として高額な評価がつきます。東北発のニッチな業務効率化ツールや、特定業界向けのWebサービスであっても、製品自体の完成度が高ければ、大手資本の販売網に乗せることで一気に全国展開が可能です。

買い手は「自社のリソースを使えば、このサービスを10倍、100倍に伸ばせるか」という視点で判断するため、プロダクトのポテンシャルと拡張性を示すことが高値売却の鍵となります。

IT企業の売却価格を左右する無形資産の可視化

IT企業のM&Aにおいて、決算書の貸借対照表に載っている資産はごく一部に過ぎません。本当の価値は、人材や技術、知的財産といった無形資産に宿っています。

これらを買い手に対して分かりやすく可視化できるかどうかが、相場以上の価格を引き出せるかの分かれ道となります。定性的な情報を定量的なデータに落とし込んで説明する準備が必要です。

エンジニアのスキルセットと定着率

人口減少が進む東北において、エンジニアが辞めずに定着していることは、それだけで希少価値の高い資産です。首都圏のIT企業は人材の流動性が高く、採用コストと離職コストに常に悩まされています。そのため、東北特有の真面目な県民性や、高い帰属意識を持つエンジニアチームは、買い手にとって非常に魅力的です。

この価値を証明するために、在籍エンジニア全員のスキルシート一覧を作成し、組織全体の技術力を可視化することをお勧めします。また、平均勤続年数や離職率の低さをデータで提示することで、買収しても人が逃げない安定した組織であるという安心感を与えることができます。さらに、若手エンジニアの育成カリキュラムや、社内勉強会の実施状況なども、組織の自走力を示すアピール材料となります。

ソースコードの権利と知的財産

自社サービスやパッケージソフトを開発している場合、そのプログラムに関する権利関係がクリアになっているかどうかが、法務デューデリジェンスの最大の焦点となります。

開発したプログラムの著作権が会社に帰属していることは大前提ですが、外部のパートナーやフリーランスに開発を委託した部分について、契約書で権利の譲渡が明記されているかを確認する必要があります。また、開発にオープンソースソフトウェアを使用している場合、そのライセンス規約に違反していないかも厳しくチェックされます。GPLライセンスなどの感染性のあるOSSを不適切に使用していると、自社のソースコードを開示する義務が生じるリスクがあるため、M&Aの障害となり得ます。

事前にソースコードの権利関係や利用しているライブラリを整理し、知財リスクがないことを証明できる状態にしておくことが不可欠です。

M&A後のエンジニア離職を防ぐPMI(統合)戦略

IT企業のM&Aにおいて最も恐れるべき失敗は、成約後にキーマンやエンジニアが連鎖的に退職してしまうことです。

人が資産であるIT企業において、エンジニアの離脱は企業価値の毀損そのものです。そのため、M&Aの検討段階から、成約後の統合プロセスを見据えた戦略を練っておく必要があります。

労働条件と開発環境の維持・改善

エンジニアは自身の労働環境や開発環境に対して非常に敏感です。M&Aによって親会社が変わった途端に、リモートワークが廃止されたり、使用するPCのスペックが下げられたり、あるいは福利厚生が削減されたりすれば、モチベーションは一気に低下し、離職の引き金となります。

統合にあたっては、従業員にとってメリットのある変化を提示することが重要です。例えば、「資本力のある親会社の給与テーブルが適用され、年収がアップする」「書籍購入補助やカンファレンス参加費用の負担など、スキルアップ支援が充実する」「開発PCが最新機種にリプレースされる」といった具体的な改善案をアナウンスします。

東北の企業が首都圏企業の傘下に入る場合、給与水準のギャップは大きな武器になります。現状の労働条件を「不利益に変更しない」旨を契約書で確約させることが、従業員の不安を払拭する第一歩となります。

キーマンへのリテンション施策

CTOやリードエンジニア、あるいは顧客との太いパイプを持つプロジェクトマネージャーなど、代わりが効かないキーマンに対しては、個別のリテンション施策が必要です。

一般的な手法として、一定期間の継続勤務を条件として支払われる特別ボーナスや、ストックオプションの付与など、金銭的なインセンティブを設定します。また、新しい組織でのキャリアパスや権限を明確にし、「M&A後も自分のやりたいことができる」「より大きなプロジェクトに挑戦できる」という心理的な動機付けを行うことも大切です。

彼らがM&Aに対してポジティブな姿勢を示すことで、他のメンバーの動揺も抑えることができます。

東北のIT企業がM&A仲介会社を選ぶ基準

IT業界は技術トレンドの移り変わりが早く、専門用語も多岐にわたるため、業界知識のない一般的なM&A仲介会社では、企業の価値を正しく評価できない場合があります。

Ruby on Railsでのアジャイル開発の価値や、AWSのインフラ構築実績の難易度を理解できない担当者では、買い手に対して自社の強みを適切に翻訳して伝えることができません。東北のIT企業が仲介会社を選ぶ際には、以下の2点を基準にすることをお勧めします。

技術用語とビジネスモデルへの理解度

担当のアドバイザーが、IT業界のビジネスモデルや、技術的なトレンドをどの程度理解しているかを確認してください。

例えば、受託開発における完成責任のリスクや、SESにおける商流の重要性、SaaSにおけるユニットエコノミクスといった概念を共通言語として話せるかどうかが重要です。面談時に自社の開発体制や技術スタックについて説明し、的確な質問が返ってくるか、あるいは過去に同種のIT企業案件を成約させた実績があるかを確認することで、その仲介会社の実力を見極めることができます。

全国規模のマッチングネットワーク

東北エリア内でのマッチングだけでなく、全国規模で買い手を探せるネットワークを持っているかも重要な選定基準です。

前述の通り、現在、東北のIT企業を最も高く評価してくれるのは、エンジニア不足に悩む首都圏のIT企業や、自社のDXを加速させたい全国の異業種企業です。地元の銀行や会計事務所では、こうした県外や異業種の買い手情報にアクセスできないことが多々あります。IT企業の売却においては、物理的な距離を超えて、最適なシナジーを生むパートナーを見つけ出す能力が、成約価格と成約スピードを決定づけます。

M&A総合研究所が東北のIT企業M&Aに強い理由

M&A総合研究所は、自社自身がAIテクノロジーを駆使して急成長を遂げた上場企業であり、IT企業の経営とM&A実務の両面に精通しています。

AIマッチングによる「異業種×IT」の提案力

IT企業を買いたいと考えているのは、同業のSIerだけではありません。ITの力で業界を変革したいと考える建設会社、物流会社、小売業などが、優良なIT企業の買収を熱望しています。

M&A総合研究所では、独自のAIマッチングシステムを活用し、人間では想起しにくい「異業種×IT」のマッチングを数多く実現しています。例えば、アナログな業務が多い異業種企業にとって、IT企業を買収することはDXを一気に進める起爆剤となります。こうした買い手は、単なる利益の足し算以上の戦略的価値を感じるため、同業他社への売却よりも高い株価を提示するケースが増えています。東北にいながら、全国のこうした潜在的な買い手と出会えることが当社の強みです。

(URL: https://masouken.com/

東北専任チームとIT専門知識

当社には東北エリア専任のアドバイザーチームがあり、地域の商慣習や経済情勢を熟知しています。さらに、IT業界に特化した知見を持つメンバーがチーム内で連携することで、技術的な強みを正当に評価し、買い手へのアピール資料に反映させます。

「技術力はあるが、営業が弱く単価が低い」「地方案件ばかりで利益率が低い」といった東北のIT企業特有の課題に対しても、M&Aによってどう解決できるかを具体的に提案し、経営者の皆様の不安を解消しながら交渉を進めます。

(URL: https://touhoku-ma.com/

東北エリアのIT・Web関連M&A成功事例

実際にM&Aを通じて事業の成長や経営課題の解決を実現した、東北のIT・Web関連企業の事例をご紹介します。

【宮城県・Web事業】東北三上機材株式会社|Web事業の価値を評価した異業種への譲渡

宮城県仙台市で建設関連事業を展開する東北三上機材株式会社の事例です。同社は本業の建設事業に加え、建設業界向けのポータルサイト運営などのWeb事業も手掛けていました。

買い手となったのは、岐阜県の建設資材メーカーである株式会社エヌ・エス・ピーです。一見すると建設業同士のM&Aですが、買い手が特に高く評価したのは、東北三上機材が独自に育ててきたWeb事業のノウハウと将来性でした。建設業界の知見とITの知見を併せ持つ企業は希少であり、その独自性が高い評価に繋がりました。地方企業であっても、尖ったIT資産やWeb事業があれば、全国の優良企業から高値で評価されることを証明した事例です。

(参照:https://masouken.com/interviews/124

【東北地方・人材サービス】大手グループ入りによるDXと管理コスト削減

東北地方で人材派遣業を営むG社の事例です。同社は一般事務に加え、ITエンジニアの派遣も行っていましたが、自社単独での採用活動や、派遣管理システムの開発・維持に限界を感じていました。

そこで、関東の上場企業グループへの株式譲渡を決断。大手グループの傘下に入ることで、最新の採用管理システムや教育プラットフォームを導入することができ、バックオフィス業務のDXが一気に進みました。これにより、管理コストが削減されただけでなく、エンジニアへの教育体制も充実し、より質の高いサービスを提供できる体制へと進化しました。資本力のあるパートナーを得ることで、地方企業が抱えるDXの遅れを一挙に解決した好例です。

(参照:https://masouken.com/interviews/12

売却前にやっておくべきチェックリスト

IT企業のM&Aを成功させるためには、事前の準備が欠かせません。デューデリジェンスで指摘されがちなポイントを事前に整理しておくことで、減額リスクを防ぎ、スムーズな成約を目指します。

契約形態の整理(準委任・請負・派遣)

顧客との契約形態が実態と合っているか、法的なリスクがないかを再確認してください。

特にSES事業においては、準委任契約であるにもかかわらず、実態として指揮命令を受けている偽装請負の状態になっていないかが厳しくチェックされます。また、再委託に関する条項や、瑕疵担保責任の範囲についても整理が必要です。契約書に不備があると、将来的な訴訟リスクとみなされ、M&Aの破談要因になりかねません。

技術資産の棚卸しとドキュメント化

特定のエンジニアしか仕様を知らない属人化したシステムは、M&Aにおいてリスクとなります。そのエンジニアが辞めたら誰もメンテナンスできなくなるからです。

設計書、仕様書、運用マニュアルなどのドキュメントを整備し、誰でも開発・運用が継続できる状態にしておくことが、企業価値を高めるポイントです。「技術資産の棚卸し」を行い、ブラックボックス化している部分を解消しておくことで、買い手は安心して買収を決断できます。

まとめ

東北のIT企業M&Aは、エンジニア不足を背景とした売り手市場の追い風を受けています。SES、受託開発、自社サービス、いずれの業態であっても、人材の質や技術力といった無形資産を正しく可視化できれば、高値での売却や理想的なパートナーとの提携が可能です。

重要なのは、IT業界の特殊性を理解した専門家に相談し、自社の価値を客観的に把握すること、そして従業員の将来を守るためのPMI戦略を事前に描いておくことです。M&A総合研究所のような、ITと地域事情の双方に精通したパートナーを活用し、会社とエンジニアの双方にとって最良の未来を掴み取ってください。まずは無料相談で、自社の市場価値を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

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