東北の事業承継完全ガイド|後継者不足を解決するM&Aの手法・補助金・事例を網羅
本記事では、東北エリアでの事業承継における後継者不足の現状から、親族内承継・M&A・従業員承継のメリット・デメリット、活用すべき補助金や税制優遇、業界別のポイントまでを網羅的に解説します。
目次
東北地方における中小企業の経営環境は、急速な人口減少と少子高齢化の波を受け、極めて深刻な局面を迎えています。黒字なのに後継者がいないという理由だけで、長年地域経済を支えてきた優良企業が廃業を選択せざるを得ないケースが後を絶ちません。
「子供は首都圏で就職して戻ってこない」 「従業員に継がせたいが、借金の保証までは頼めない」 「M&Aも検討したいが、地元の目が気になる」
このような葛藤を抱え、決断を先送りにしている経営者様も多いのではないでしょうか。しかし、事業承継は時間との勝負であり、準備が遅れるほど選択肢は狭まり、廃業のリスクが高まります。一方で、早期に対策を講じれば、従業員の雇用を守り、創業者利益を確保した上で、企業をさらなる成長へと導くことが可能です。
本記事では、東北6県の最新データに基づいた承継事情から、建設・農業・観光など主要産業ごとの承継ポイント、さらには見落としがちな補助金制度まで、事業承継を成功させるための全知識を網羅しました。会社の存続をかけた経営判断の一助として、ぜひご活用ください。
東北エリアにおける事業承継の現状
東北6県は、全国と比較しても少子高齢化と人口減少の進行が著しく早く、これに伴う後継者不足問題は地域経済の存続に関わる重大な危機となっています。
帝国データバンクなどの調査によると、東北企業の後継者不在率は依然として50〜60%前後の高水準で推移しており、約半数の企業で次期社長が決まっていない状況です。特に深刻なのは、財務内容が健全で黒字経営を続けているにもかかわらず、後継者が見つからないために自主廃業を選ぶ黒字廃業の増加です。
これは、地域から雇用や技術、そして商流が失われることを意味し、地域経済の地盤沈下を加速させる要因となっています。経営者の平均年齢も上昇の一途をたどっており、団塊世代の経営者が70代後半から80代に差し掛かる2025年問題以降、この傾向はさらに強まると予測されています。
また、東日本大震災からの復興需要が一巡し、公共工事や建設需要が落ち着きを見せていることも、事業承継の判断に影響を与えています。建設業や土木業においては、先細りする市場を見越して「自分の代で会社を畳む」と考える経営者が増えています。しかし、地域のインフラ維持や除雪業務などを担う企業が消滅することは、住民生活に直結する問題であり、個別の企業の存続にとどまらない社会課題として認識されています。
事業承継の3つの選択肢と東北企業における実現性
事業承継には、大きく分けて「親族内承継」「従業員承継」「第三者承継(M&A)」の3つの手法が存在します。
かつては親族内承継が当たり前でしたが、社会構造の変化とともにその比率は低下しています。東北エリアの特性や、現在の若年層のキャリア観を踏まえると、どの手法が自社にとって現実的であるかを冷静に見極める必要があります。それぞれのメリットとデメリット、そして東北における実現性について検証します。
親族内承継(子供への引き継ぎ)
親族内承継は、経営者の子供や親戚に会社を引き継ぐ手法であり、心情的には最も納得感が高く、従業員や取引先からの反発も少ない選択肢です。
しかし、現在の東北において親族内承継の難易度は年々上がっています。最大の要因は、少子化に加え、子供世代が大学進学などを機に仙台圏や首都圏へ流出し、そのまま現地で就職してしまうケースが多発していることです。大手企業で安定した生活を送る子供に対し、経営環境の厳しい地方の中小企業を継がせることへのためらいが、親である経営者側にも強くあります。
また、仮に子供に継ぐ意思があったとしても、相続税や贈与税の負担、そして何より「連帯保証人」としての個人保証の引き継ぎが大きな障壁となります。数億円規模の借入金の保証人になることは、若年層にとって重すぎる荷物であり、これが原因で親族内承継を断念せざるを得ない事例が多く見られます。
従業員承継(役員・社員への引き継ぎ)
従業員承継は、長年会社に貢献してきた番頭役員や、実力のある社員を社長に昇格させ、経営権を譲る手法です。
社内の業務や企業文化を熟知しているため、経営の連続性を保ちやすく、他の従業員からの納得も得られやすいメリットがあります。しかし、この手法における最大のボトルネックは「株式取得資金の欠如」です。中小企業の株式価値は、経営者が思っている以上に高額になることが多く、一従業員が個人資産で買い取ることは極めて困難です。
金融機関から融資を受けて自社株を買い取るEBO等のスキームもありますが、多額の借金を背負って社長になることを望む従業員は稀です。結果として、経営権はオーナー一族に残したまま、経営の実務だけを従業員に任せるという変則的な形になりがちですが、これは将来的な相続紛争の火種となるリスクを孕んでいます。
第三者承継(M&A)
第三者承継は、株式譲渡などを通じて、親族や社外の第三者に経営権を譲り渡す手法です。
親族や社内に後継者がいない場合の唯一の現実的な解決策として、東北でも急速に普及しています。全国から買い手を探すことができるため、自社の事業にシナジーを感じる相手が見つかれば、創業者利益を確保しつつ、従業員の雇用もそのまま維持することが可能です。
かつて東北では「会社を売るのは身売りだ」「従業員を見捨てるのか」といったネガティブなイメージが根強くありました。しかし近年では、大手企業の傘下に入ることで待遇が改善されたり、投資によって設備が新しくなったりする成功事例が増え、企業の発展的存続のための戦略として肯定的に受け入れられるようになっています。特に人口減少市場においては、資本力のある企業と手を組むことが、企業の生存確率を高める最善手となりつつあります。
【産業別】東北主要業界の事業承継ポイント
東北経済を支える主要産業ごとに、事業承継において重視されるポイントや、成約を阻むボトルネックは異なります。
自社が属する業界の特性を理解し、買い手が何を求めているかを把握することで、より良い条件での承継が可能になります。ここでは、東北で特にM&Aや承継の動きが活発な4つの産業について解説します。
建設業・土木工事業
東北地方において最も事業所数が多く、かつ承継問題が深刻なのが建設・土木業界です。この業界の承継における最重要ポイントは、許認可と有資格者の確実な引き継ぎです。
公共工事を主体とする企業の場合、経営事項審査の評点が受注能力に直結します。M&Aによって経営主体が変わる際、この評点を維持、あるいは親会社の資本力を加味して向上させることが求められます。また、施工管理技士などの有資格者が何名在籍しているかが、企業の価値を大きく左右します。人手不足が慢性化しているため、人材確保を目的としたM&Aが活発であり、地場の同業者同士の統合や、エリア拡大を狙う関東圏のゼネコンへの譲渡が増加しています。
農業・水産業・食品加工
東北の基幹産業である一次産業および食品加工業では、ブランド価値と法規制への対応が鍵となります。
「青森のりんご」「三陸の牡蠣」「山形のさくらんぼ」など、地域ブランドそのものが強力な資産価値を持ちます。大手商社や食品メーカーは、安定した調達ルートとブランドを確保するために、生産法人や加工会社への買収意欲を強めています。一方で、農業法人のM&Aには農地法による農地の権利移動制限が、漁業関連企業のM&Aには漁業権の取り扱いといった特殊な法規制が関わります。これらの許認可をスムーズに承継するためには、行政との事前調整や、農業協同組合・漁業協同組合との関係維持が欠かせません。
医療・介護・調剤薬局
高齢化率が高い東北において、医療・介護インフラの維持は社会的な要請でもあります。この分野での承継ポイントは、人材の継続と出資持分の評価です。
地方部では医師や薬剤師の不足が深刻であり、後継者不在による閉院・閉局のリスクが高まっています。M&Aを行う場合、買い手側は現在の医師やスタッフがそのまま残ってくれるかを最も重視します。そのため、承継後の給与水準や勤務体系の維持が交渉の焦点となります。
また、経過措置型医療法人の場合、出資持分の評価額が非常に高額になり、譲渡時の税負担や資金調達が大きな課題となることがあります。専門的な知見を持つアドバイザーの介在が必要です。
観光・旅館・ホテル
インバウンド需要の回復に伴い、東北の観光業への投資意欲は回復基調にありますが、課題は設備の老朽化です。
多くの旅館やホテルは、バブル期前後に建てられた施設の更新時期を迎えています。しかし、コロナ禍での借入金負担などにより、自力での改装が困難な状況です。そのため、事業承継の際には、単に経営権を譲るだけでなく、大規模な設備投資を実行できる資本力を持った買い手を見つけることが重要です。
買い手側は、立地や温泉の質といった変えられない資産を評価するため、建物が古くてもM&Aが成立する可能性は十分にあります。
東北の事業承継で活用すべき補助金・税制優遇
国や自治体は、中小企業の円滑な事業承継を後押しするために、様々な金銭的支援策を用意しています。これらを活用するか否かで、手元に残る資金や負担するコストに数百万円から数千万円の差が生じることがあります。
制度は複雑で頻繁に改正されますが、主要な3つの支援策については必ず押さえておく必要があります。これらは申請期限や事前の計画提出が必要なものが多いため、承継を検討し始めた段階での確認が求められます。
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継やM&Aをきっかけとした新しい取り組みや、M&A時の専門家費用を国が補助する制度です。
大きく分けて、承継後の設備投資や販路開拓を支援する経営革新事業型、M&A仲介手数料やデューデリジェンス費用を補助する専門家活用型、廃業に伴う費用を補助する廃業・再チャレンジ事業型があります。
特に東北の中小企業がM&A仲介会社を利用する場合、専門家活用型を申請することで、仲介手数料の最大3分の2が補助される可能性があります。採択には事業計画書の提出が必要ですが、コスト負担を大幅に軽減できるため、利用しない手はありません。
事業承継税制(特例措置)
事業承継税制は、後継者が先代経営者から自社株式を相続または贈与によって取得した際、一定の要件を満たすことで、その株式にかかる相続税・贈与税の納税が猶予される制度です。
特に期間限定の特例措置は、対象となる株式数や猶予割合が大幅に拡充されており、実質的な税負担ゼロで株式を引き継ぐことが可能です。ただし、この特例を受けるためには、都道府県知事に対して特例承継計画を期限内に提出し、認定を受ける必要があります。
提出期限(現在は2026年3月末までなど)が迫っているため、親族内承継や従業員承継を考えている場合は、早急に税理士へ相談し、計画策定に着手する必要があります。
経営承継円滑化法による金融支援
経営承継円滑化法に基づく認定を受けることで、事業承継に伴う資金調達に関して、金融面での特例措置を受けることができます。
具体的には、M&Aによる株式取得資金や、後継者が事業を引き継ぐ際に必要な運転資金について、日本政策金融公庫からの低利融資や、信用保証協会の通常の保証枠とは別枠での保証が利用可能になります。これにより、資金力が不足している従業員承継や、手元資金を残しておきたいM&Aの買い手にとって、資金調達のハードルが下がります。
東北での事業承継・相談先の選び方
事業承継を成功させるためには、自社の状況に合った適切な相談先を選ぶことが極めて重要です。
誰に継がせるかが決まっている場合と、まだ決まっていない場合、あるいは誰に売るかを模索している段階など、フェーズによって最適な相談窓口は異なります。東北の経営者が利用できる主な3つの相談先について、その特徴と使い分けを解説します。
事業承継・引継ぎ支援センター(公的機関)
事業承継・引継ぎ支援センターは、国が各都道府県に設置している公的な支援機関で、商工会議所などに窓口があります。
最大のメリットは、相談が無料であり、公平・中立な立場からアドバイスを受けられる点です。親族内承継の進め方についての基本的な相談や、地域の小規模事業者同士のマッチングを行っています。コストをかけずにまずは話を聞いてみたい場合や、譲渡価格にはこだわらず地域内で相手を見つけたい個人事業主などに適しています。
一方で、民間のような積極的なプッシュ型の提案営業はないため、スピーディーな解決や高値での売却を望む場合には物足りなさを感じる可能性があります。
地元金融機関(地銀・信金)
七十七銀行、東邦銀行、岩手銀行などの地元金融機関は、日頃の取引を通じて自社の財務内容を把握しており、相談しやすい相手です。
地域内での情報網が強いため、県内の取引先企業の中から買い手候補を紹介してくれる可能性があります。信頼関係ベースで進められる安心感があります。しかし、マッチングの範囲がどうしても自行の営業エリア内や自行の融資先に限定されがちです。
県外の企業や、全く異なる業種の企業も含めた広い選択肢の中からベストな相手を探したい場合には、地銀のネットワークだけでは不十分なケースがあります。最近では、地銀が外部のM&A仲介会社を紹介するケースも増えています。
M&A仲介会社(全国対応型)
M&A仲介会社は、売り手と買い手の間に入り、マッチングから成約までを一貫してサポートする民間の専門業者です。
後継者が不在で、第三者への売却を決断した場合、最も頼りになる存在です。全国規模のデータベースを持っているため、東北エリアに限定せず、首都圏や海外の企業も含めたマッチングが可能です。
これにより、地元の相場よりも高い価格での売却や、予想外のシナジーを生む異業種との提携が実現しやすくなります。成功報酬型の手数料がかかりますが、専門的な株価算定や複雑な条件交渉を任せられるため、安全かつ有利に承継を進めたい場合に最適です。
M&A総合研究所が東北の事業承継に強い理由
数あるM&A仲介会社の中でも、M&A総合研究所は東北エリアでの支援実績を急速に伸ばしており、多くの経営者から選ばれています。
その理由は、M&Aの成約スピードと、地域特有の事情に配慮したサポート体制にあります。単に会社を売買するだけでなく、経営者の人生の集大成である事業を、最適な相手に引き継ぐための独自の強みをご紹介します。
東北専任チームによるきめ細かなサポート
事業承継は、数字だけの問題ではなく、経営者の想いや歴史の継承です。M&A総合研究所には、東北エリアに特化した専任のアドバイザーチームが設置されています。
東北の経済情勢、地理的な条件、県民性などを深く理解したアドバイザーが担当するため、東京の論理を一方的に押し付けることはありません。経営者が抱える地元のしがらみや、従業員への配慮といったデリケートな悩みにも寄り添いながら、最適な進め方を提案します。対面での面談はもちろん、オンラインも活用しながら、物理的な距離を感じさせない密なコミュニケーションを提供します。
(URL: https://touhoku-ma.com/ )
譲渡対価ベースの手数料体系(完全成功報酬)
M&A仲介会社の手数料体系は会社によって大きく異なりますが、M&A総合研究所は売り手経営者に有利な譲渡対価ベースの成功報酬制を採用しています。
多くの仲介会社が採用する移動総資産ベースの場合、借入金の多い企業は手数料が割高になり、手元に残るお金が減ってしまうリスクがあります。対して譲渡対価ベースであれば、実際に株を売って得られる金額に対して料率がかかるため、納得感のある適正なコストでサービスを受けることができます。
また、着手金や中間金は一切無料であり、成約するまで費用が発生しないため、リスクなく相談を始めることが可能です。
(URL: https://masouken.com/ )
AIマッチングによる買い手の発見
「地元の同業者には声をかけ尽くしたが、良い相手が見つからない」
こうした状況を打破するのが、M&A総合研究所独自のAIマッチングシステムです。
過去の膨大なM&Aデータと企業情報をAIが解析し、人間では思いつかないような異業種の買い手候補をリストアップします。例えば、東北の建設会社を、異業種のIT企業がエンジニア以外の安定収益源として高値で評価するといった事例も生まれています。AIの網羅性とアドバイザーの交渉力を組み合わせることで、斜陽と思われていた事業に新たな価値を見出し、ベストな承継先を見つけ出します。
東北企業の事業承継M&A成功事例
「本当にうちのような会社でもM&Aができるのか?」
そのような不安を解消するために、実際に東北で事業承継の課題を解決し、新たな一歩を踏み出した企業の事例をご紹介します。これらはすべて実在の成功事例です。
【宮城県・廃棄物処理】株式会社築館クリーンセンター|74歳社長の決断と事業の継続
宮城県栗原市で産業廃棄物処理業を営む株式会社築館クリーンセンター(売上約20億円)の事例です。社長の白鳥氏は74歳を迎え、自身の年齢と後継者不在に悩んでいました。地域に必要不可欠なインフラ企業であり、従業員の雇用も守らなければなりませんが、設備の更新や環境規制への対応など、将来の経営課題も山積みでした。
白鳥社長は、会社の永続性を確保するためにM&Aを決断し、日本成長投資アライアンスという投資ファンドへ株式を譲渡しました。ファンドの豊富な資金力と経営ノウハウが入ることで、財務体質が強化され、従業員も安心して働ける環境が整いました。高齢の経営者が廃業ではなく前向きな承継を選んだことで、地域社会への責任を果たしたモデルケースです。
【宮城県・建設業】東北三上機材株式会社|復興支援から全国展開へのバトンタッチ
仙台市でクサビ式足場工事などを手掛ける東北三上機材株式会社の事例です。震災復興を背景に急成長を遂げてきましたが、中川社長は事業をさらに拡大させるためには、自社単独の力では限界があると感じていました。また、自身が立ち上げた新規事業への注力や、若手経営者の育成という新しい夢もありました。
そこで、岐阜県に本社を置く仮設資材メーカー、株式会社エヌ・エス・ピーのグループ入りを決断しました。メーカー機能を持つ親会社と一体となることで、資材調達コストの削減や経営基盤の安定化を実現しました。これは後継者がいないから売るという消極的な理由ではなく、会社を成長させるために大手と組むという戦略的な事業承継の好例です。
【東北地方・人材派遣業】同業他社との提携でエリアNo.1を目指す
東北地方を拠点に製造業向けの人材派遣を行うG社(売上5億円規模)の事例です。地域密着で堅実な経営を行ってきましたが、大手派遣会社との競争激化や、コンプライアンス順守にかかるコスト増に危機感を抱いていました。単独での生き残りに固執するよりも、大手グループのリソースを活用する方が得策と考え、関東の上場企業グループへ株式を譲渡しました。
その結果、上場企業の採用ノウハウや教育システムを導入することができ、東北エリアでの採用競争力が劇的に向上。売上規模も拡大し、元経営者はグループ会社の役員として引き続き経営に関与しています。同業大手との提携が、地方企業のブレイクスルーにつながった事例です。
事業承継を成功させるための準備プロセス
M&Aによる事業承継をスムーズに進め、かつ希望条件での成約を勝ち取るためには、事前の準備が非常に重要です。買い手が安心して買える状態にしておくことが、交渉を有利に進める鍵となります。
決算書の信頼性向上(簿外債務の解消)
M&Aの交渉過程で行われるデューデリジェンスにおいて、最も問題となるのが簿外債務の存在です。
特に地方の中小企業では、サービス残業による未払い残業代や、社会保険の未加入期間があるなど、労務リスクを抱えているケースが少なくありません。これらは買い手にとって将来の訴訟リスクとなるため、譲渡価格の減額要因、あるいは破談の原因となります。
また、回収見込みのない売掛金や、価値のない在庫資産が決算書に残ったままになっている場合も、資産の実態が見えないとして不信感を招きます。承継を考え始めたら、専門家の助言を得ながらこれらのリスクを洗い出し、解消しておく作業が必要です。
株式や資産の権利関係の整理
「誰が株主か分からない」「会社で使っている土地が先代社長の個人名義のまま」といった権利関係の不備も、承継時のトラブルの元です。
特に創業から長い企業では、名義株が存在していたり、相続によって株式が多数の親族に分散していたりすることがあります。M&Aを行うには、原則として100%の株式を集約する必要があります。所在不明の株主がいる場合は、法的な手続きを経て整理しなければなりません。
また、事業用資産が個人所有になっている場合は、会社への賃貸借契約を明確にするか、会社へ買い取らせるなどの整理を行い、公私混同を排除しておくことが、スムーズな承継への前提条件となります。
まとめ
東北エリアにおける事業承継は、人口減少などの厳しい外部環境の中で、待ったなしの状況にあります。親族内承継が困難になる中、第三者への承継は、企業を存続させ、従業員の雇用を守るための有効かつ現実的な手段として定着してきました。
重要なのは、選択肢を狭めず、早期に行動を開始することです。補助金や税制優遇といった支援策を賢く活用し、自社の業界特性に合わせた準備を進めることで、納得のいくバトンタッチは十分に可能です。まずはM&A仲介会社などの専門家に相談し、自社の企業価値を客観的に把握することから始めてみてはいかがでしょうか。その一歩が、会社と地域の未来を守るための確実な前進となります。
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