東北のM&A・会社売却|全6県の動向・相場・相談先を徹底解説【事業承継】 | 東北M&A総研マガジン

東北のM&A・会社売却|全6県の動向・相場・相談先を徹底解説【事業承継】

本記事では、東北6県の最新M&A動向、業種別の相場、企業価値評価のポイント、相談先の選び方までを網羅的に解説します。事業承継や成長戦略の実現に向けた具体的な成功事例も紹介します。

目次

  1. 東北エリアにおけるM&A・事業承継の全体動向
  2. 【県別】東北6県のM&A事情と地域経済の特徴
  3. 東北でM&Aが特に活発な主要4業種
  4. 東北企業の売却相場と企業価値評価(バリュエーション)
  5. 東北の経営者が選ぶべきM&A相談先と比較
  6. M&A総合研究所が東北のM&Aに強い理由
  7. 東北エリアのM&A成功事例
  8. M&Aを成功させるための準備とタイミング
  9. まとめ

東北地方における経営環境は、人口減少や少子高齢化の影響を色濃く受け、かつてない転換期を迎えています。後継者不在による廃業の危機が迫る一方で、首都圏企業や成長意欲のある地域企業によるM&Aの動きは、これまでにないほど活発化しています。

「うちのような地方の会社に買い手がつくのだろうか」「従業員の雇用や取引先との関係はどうなるのか」

このような不安を抱える経営者様も多いことでしょう。しかし、現在のM&A市場において、東北企業の持つ技術力、顧客基盤、そして実直な人材は極めて高く評価されています。重要なのは、自社の価値を正しく理解し、適切なパートナーと共に戦略的な準備を進めることです。

本記事では、東北6県の県別動向から、建設・食品・医療などの主要業種のトレンド、さらには地域特有の企業価値評価手法まで、東北のM&Aに関するあらゆる情報を網羅的に解説します。事業承継の悩みを解決し、会社の永続的な発展を実現するための指針として、ぜひお役立てください。

東北エリアにおけるM&A・事業承継の全体動向

生き残りをかけた業界再編型M&Aの二つの潮流が交錯し、取引件数が過去最高水準で推移しています。

東北6県は全国平均と比較しても人口減少と少子高齢化の進行が早く、多くの中小企業にとって後継者の確保が最重要課題となっています。帝国データバンクなどの調査によると、東北企業の後継者不在率は依然として高水準にあり、業績が黒字であるにもかかわらず廃業を選択せざるを得ない黒字廃業のリスクが極めて高い地域です。親族内での承継が困難になる中、第三者へのM&Aによる事業引継ぎは、もはや特別な選択肢ではなく、企業の存続を守るための標準的な経営戦略として定着しつつあります。

一方で、買い手側の視点に立つと、東北市場は魅力的な投資対象として映っています。特に仙台経済圏を中心とした都市再開発や、東北独自の一次産業・観光資源、そして真面目で定着率の高い人材に対する評価は揺るぎません。首都圏や関西圏の大手企業が、地理的な商圏拡大や安定したサプライチェーンの確保を目的として、東北の優良企業を買収する事例が増加しています。また、東日本大震災からの復興需要が落ち着きを見せる中、建設業や土木業においては、来るべき需要縮小期に備えた経営基盤の強化や、人手不足解消を目的とした同業者間のM&Aが加速しています。

このように、東北のM&A市場は待ったなしの承継ニーズと戦略的な買収ニーズが合致し、活況を呈しているのです。

【県別】東北6県のM&A事情と地域経済の特徴

東北地方と一括りにされますが、各県の産業構造、地理的条件、経済規模によってM&Aの動向は大きく異なります。

県ごとの特性を理解することは、自社がどのような買い手候補から評価されやすいか、あるいはどのような戦略で提携先を探すべきかを知る上で非常に重要です。ここでは、東北6県それぞれの経済状況と、特に動きが活発なM&Aのトレンドについて詳細に解説します。

宮城県

宮城県は東北経済の最大の拠点であり、M&Aの件数も東北6県の中で圧倒的に多く、多様な業種で成約が生まれています。

仙台市には大手企業の支店や支社が集中する支店経済の側面があり、IT企業、サービス業、飲食業などが集積しています。そのため、首都圏の企業が東北進出の足掛かりとして仙台の企業を買収するIN-OUT型のM&Aが非常に活発です。特に、人材派遣業やビルメンテナンス業、調剤薬局などは、すでに一定の顧客基盤や人材を持つ地元企業を買収することで、ゼロからの立ち上げリスクを回避しようとするニーズが強く存在します。

一方で、県北や県南の地方部においては、水産加工業や製造業における事業承継が課題となっています。三陸沿岸の水産加工会社などは、高いブランド力と技術を持ちながらも後継者難に直面しており、販路拡大を目指す大手食品メーカーや商社への譲渡を選ぶケースが増えています。このように宮城県では、仙台圏を中心とした成長戦略型M&Aと、地方部を中心とした事業承継型M&Aの二極化が進んでおり、それぞれのニーズに合わせたマッチングが求められています。

福島県

福島県では、震災復興需要のピークアウトを見据えた建設業界の再編と、物流拠点としての立地を活かした運送業のM&Aが顕著なトレンドとなっています。

これまで復興関連工事で好業績を維持してきた県内の建設・土木業者は、今後の公共工事減少に備え、経営体力の強化を急いでいます。近隣県の同業者と提携して規模を拡大したり、異なる工種を持つ企業を買収して多角化を図ったりする動きが活発です。また、浜通り地域では「福島イノベーション・コースト構想」により、ロボット産業や再生可能エネルギー関連の新規産業集積が進んでいます。これに伴い、進出企業をサポートするメンテナンス会社やサービス業への買収ニーズも高まりを見せています。

さらに、福島県は東北自動車道と磐越自動車道、常磐自動車道が交差する物流の要衝です。首都圏へのアクセスが良いことから、関東圏の物流会社が福島県の運送会社をM&Aし、中継拠点として活用する事例が多く見られます。製造業においても、会津地方を中心に精密機械や電子部品の高い技術を持つ企業が多く、技術承継を目的としたM&Aが継続的に行われています。

岩手県

広大な県土を持つ岩手県では、インフラを守る建設業の維持と、北上川流域の産業集積に関連した製造業のM&Aが中心となっています。

県土が広いため、地域ごとのインフラ維持や除雪業務を担う建設業者の役割は極めて重要です。しかし、小規模な事業者では経営者の高齢化と人手不足が深刻化しており、地域内の有力企業や県外の大手建設会社がこれらをグループ化することで、施工能力と雇用を維持しようとする動きが強まっています。これにより、地域インフラの担い手がM&Aによって守られるという側面があります。

また、北上川流域エリアには、自動車関連や半導体関連の工場が集積しており、東北でも有数の「ものづくり産業」の拠点を形成しています。大手メーカーの好調な生産活動を背景に、そのサプライヤーである部品製造業や金型メーカー、さらには工場への人材派遣を行う企業に対する買収意欲が高まっています。三陸沿岸部では、水産加工業の再編も進んでおり、衛生管理基準への対応や設備投資負担に耐えうる資本力を求め、M&Aを選択する経営者が増えています。

青森県

青森県におけるM&Aは、全国的なブランド力を持つ一次産業および食品産業と、短命県返上を掲げたヘルスケア関連分野に集中しています。

青森県の「りんご」「にんにく」「マグロ」といった農水産物は、全国的にも極めて高い知名度とブランド価値を誇ります。そのため、原材料の安定調達や高付加価値商品の開発を目指す首都圏の食品メーカー、商社、外食チェーンなどが、県内の生産法人や加工会社を譲り受ける事例が後を絶ちません。これは、青森の企業にとっても、大手の販路を活用して全国、あるいは海外へ商品を展開できる大きなチャンスとなります。

また、青森県は平均寿命の短さが長年の課題であり、県を挙げて健康増進に取り組んでいます。こうした背景から、ドラッグストアや調剤薬局の再編統合が非常に活発です。大手ドラッグストアチェーンによる地場薬局の買収や、医療法人のM&Aによる地域医療ネットワークの構築が進んでおり、経営効率化とサービス向上の両立が図られています。人口減少が激しい地域でもあるため、小売・流通業においても、商圏維持のための統合・合併が進む傾向にあります。

秋田県

全国トップクラスの人口減少率と高齢化率に直面する秋田県では、事業承継問題の解決が急務であり、特に再生可能エネルギー分野でのM&A需要が急増しています。

秋田県は洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入ポテンシャルが高く、国策としても開発が進められています。これに伴い、風車建設やメンテナンス、送電網整備などに関連する建設・電気工事業者の需要が急激に高まっています。県外の大手ゼネコンやエンジニアリング会社が、秋田県内での施工体制を確保するために、地場の建設業者や電気工事会社をM&Aでグループ化する動きが加速しています。これは、地域企業にとって新たな成長産業へ参入する絶好の機会となっています。

一方で、従来型の産業や商店においては、後継者不在が深刻です。県内の地銀もビジネスマッチングに力を入れていますが、県内企業同士のマッチングだけでは解決できないケースも増えています。そのため、M&A仲介会社などを通じて、県外資本や創業意欲のある個人へ事業を譲渡する広域マッチングの重要性が高まっています。縫製業や木材加工業など、秋田独自の技術を持つ企業が、海外展開を目指すアパレル企業などに評価される事例も出てきています。

山形県

山形県は、伝統的なものづくり産業と観光資源が豊富であり、高い技術力や老舗ブランドを評価したM&Aが多く見られます。

山形県は古くから機業や鋳物などの伝統産業が盛んであり、現在も有機ELや超精密加工などの先端産業が集積しています。ニッチトップの技術を持つ中小企業が多く、これらの企業は不況下でも安定した収益力を持っているため、技術や販路の獲得を狙う県外メーカーからの買収オファーが絶えません。後継者がいない場合でも、その高い技術力が評価され、良い条件でM&Aが成立する可能性が高い地域と言えます。

また、銀山温泉や蔵王温泉をはじめとする観光資源も豊富です。インバウンド需要の回復とともに、老舗旅館やホテルの再生型M&Aや事業譲渡が増加しています。経営者の高齢化や施設の老朽化に悩む宿泊施設が、ホテル運営会社や投資ファンドの支援を受けてリニューアルし、高付加価値な宿へと生まれ変わる事例が見られます。さらに、さくらんぼやラ・フランスなどの果樹栽培を行う農業法人のM&Aも、異業種参入のターゲットとして注目されています。

東北でM&Aが特に活発な主要4業種

東北地方の産業構造や社会課題を反映し、M&A取引は特定の業種に集中する傾向があります。

ここでは、現在進行形でM&Aが頻繁に行われている「建設」「食品」「医療・介護」「観光」の4業種について、なぜ売買が活発なのか、買い手は何を求めているのかという背景を深掘りします。

建設・土木工事業

建設・土木業界は東北で最もM&Aが盛んな業種であり、その主たる動機は人材不足の解消と経営基盤の安定化にあります。

東北各地では、インフラの老朽化対策や災害復旧工事、除雪業務など、建設業の仕事は依然として豊富にあります。しかし、若年層の入職者減少と既存社員の高齢化により、施工管理技士や熟練技能者が圧倒的に不足しています。「仕事はあるのに、人がいなくて受注できない」という状況を打破するため、買い手企業はM&Aを通じて、資格保有者や作業員をまとめて確保しようとします。これを採用コストの代替としてのM&Aと捉える経営者も増えています。

また、公共工事の入札参加資格の評点を維持・向上させるためにも、M&Aによる規模拡大は有効です。売上高の増加や技術職員数の確保は、より大規模な工事の受注につながります。売り手企業にとっても、大手や地域の有力企業の傘下に入ることで、資材調達コストの削減や、バックオフィス業務の効率化、そして従業員の雇用安定といったメリットを享受できるため、双方の利害が一致しやすい業界構造にあります。

食品製造・水産加工業

豊富な農水産物を有する東北において、食品製造・水産加工業のM&Aは、地域ブランドの獲得と設備投資負担への対応という二つの側面から進行しています。

全国のスーパーや百貨店、外食産業にとって、「三陸産」「青森産」といった産地ブランドは消費者に訴求する強力な武器となります。そのため、独自の加工技術や産地との強固なコネクションを持つ東北の食品メーカーは、販路拡大を狙う大手食品企業や商社にとって魅力的な買収対象です。M&Aによって大手の流通網に乗せることで、地方の逸品が全国ヒット商品へと成長するケースも珍しくありません。

一方で、食品業界はHACCPの完全義務化に伴う衛生管理の厳格化や、原材料価格の高騰、老朽化した工場の更新費用など、経営環境が厳しさを増しています。中小規模の事業者単独では、これらの設備投資やコスト増に対応することが困難になりつつあります。そのため、資本力のある企業のグループに入り、工場の改修や最新設備の導入支援を受けることで、事業の存続と発展を図る救済的・発展的M&Aを選択する経営者が増えています。

調剤薬局・医療法人

人口減少と高齢化が同時に進行する東北の地方部において、地域医療を守るための再編・統合が急速に進んでいます。

調剤薬局業界では、薬価改定による収益性の低下に加え、薬剤師の採用難が深刻な問題となっています。特に地方部では薬剤師の確保が難しく、一人の薬剤師の退職が店舗の閉鎖に直結するリスクすらあります。そのため、大手調剤チェーンは、ドミナント戦略(の一環として、地方の小規模薬局を買収し、薬剤師の相互派遣や在庫管理の共通化によって効率化を図っています。売り手にとっても、大手グループ入りすることで採用難から解放され、従業員の待遇改善が図れる点は大きなメリットです。

医療法人においても、後継者不在のクリニックや病院の承継問題が顕在化しています。地域のかかりつけ医が閉院することは、住民生活に直結する大問題です。そのため、近隣の医療法人が分院として引き継ぐケースや、開業希望の医師が既存のクリニックをM&Aで譲り受けて独立開業する第三者承継開業が増加しています。これにより、初期投資を抑えて開業できる買い手と、地域医療を残したい売り手のニーズがマッチングされています。

旅館・ホテル・観光業

インバウンド需要の回復と国内旅行の回帰に伴い、東北の観光産業に対する投資意欲はかつてないほど高まっています。

東北各地には歴史ある温泉地や風光明媚な観光地が数多く存在しますが、多くの宿泊施設はバブル期前後に建てられたものが多く、建物の老朽化が進んでいます。しかし、コロナ禍での借入金負担もあり、リニューアル資金を自力で調達することが難しい施設も少なくありません。そこで、資金力のあるホテル運営会社や不動産ファンドがスポンサーとなり、M&Aによって経営権を取得した上で、大規模な改修を行う事例が増えています。

買い手側は、東北の観光ポテンシャルを高く評価しており、運営ノウハウの導入やDX化によって収益性を改善できると判断しています。特に、個人客向けの高級旅館への転換や、インバウンド客に対応した体験型宿泊施設へのリブランディングが進められています。売り手であるオーナー経営者にとっては、借入金の個人保証から解放され、従業員の雇用を守りつつ、愛着ある旅館の看板を次世代に残せるという点で、M&Aは現実的な解決策となっています。

東北企業の売却相場と企業価値評価(バリュエーション)

自社を売却する場合、どのくらいの金額になるのかは経営者にとって最大の関心事の一つです。東北企業の評価額は、一般的な算定式に加え、地域特有の要素が加味されて決定されます。

中小企業のM&Aにおける株価算定では、一般的に「時価純資産 + 営業権」という計算式が用いられます。のれん代は、通常「修正営業利益の3〜5年分」とされますが、東北の企業においては、この基本式に加えて、地方ならではの資産性と人材の質が評価額を大きく左右します。ここでは、東北企業特有の評価ポイントについて解説します。

地方特有の不動産評価と「アセット」の扱い

東北の企業、特に製造業や物流業では、広大な敷地や工場を所有しているケースが多いですが、この不動産評価には注意が必要です。

M&Aの価格算定において、資産は簿価ではなく時価で評価し直されます。地方部の場合、広大な土地を持っていても、そこが市街化調整区域であったり、需要の少ないエリアであったりすると、時価評価が簿価を大きく下回り、純資産額を目減りさせる要因となることがあります。また、老朽化した工場や倉庫にアスベスト等の環境リスクがある場合、その撤去費用がマイナス査定されることもあります。

一方で、インターチェンジ付近の好立地にある物流倉庫や、水利権を持つ工場用地などは、簿価以上のプラス査定となるケースもあります。また、社有車や社宅、保養所などの資産についても、事業に必要不可欠なものか、換金可能なものかが精査されます。売却を検討する際には、事前に不動産の権利関係や市場価値を把握し、不要な資産(遊休資産)を整理しておくことが、適正な評価を得るための第一歩となります。

人材定着率と技術力の評価(のれん代)

人口減少が進む東北エリアにおいて、若手従業員が定着していることや熟練技術者が在籍していることは、目に見えない資産として極めて高く評価されます。

首都圏の企業が東北企業を買収する際、最も重視するのは人です。どんなに立派な設備があっても、それを動かす人がいなければ事業は継続できません。特に、離職率が低く、若手からベテランまでバランスよく在籍している組織は、それだけで採用コストの削減効果や組織運営の安定性という経済的価値を持ちます。これは営業利益の数年分という計算式以上に、買収価格へのプレミアム要因となり得ます。

また、特定の顧客との長年の信頼関係や、地域内での高いシェア、その会社にしかない特殊な加工技術などものれん代として評価されます。財務諸表には表れないこれらの無形資産を、買い手候補に対して具体的かつ論理的にアピールできるかどうかが、売却価格を最大化するカギとなります。従業員の勤続年数リストや、資格保有者一覧、顧客ごとの取引年数などのデータは、交渉における強力な武器となるのです。

東北の経営者が選ぶべきM&A相談先と比較

M&Aを検討し始めたとき、最初に誰に相談するかで、その後の展開や成約の確率は大きく変わります。

東北の経営者が利用できる主な相談先は、「地元金融機関」「公的機関」「M&A仲介会社」の3つに大別されます。それぞれにメリットとデメリットがあり、自社の状況や目指すゴールに合わせて最適なパートナーを選ぶ必要があります。東北地方では伝統的にメインバンクへの信頼が厚いですが、M&Aに関しては全国的な視野を持つことが重要です。それぞれの特徴を比較・解説します。

地元金融機関(地銀・信金)

七十七銀行、東邦銀行、岩手銀行などの地元地方銀行や信用金庫は、東北の経営者にとって最も身近で相談しやすい相手です。

メリット

最大の強みは圧倒的な安心感と地域内での情報網です。長年の取引を通じて自社の内情を深く理解しており、経営者の性格や家族構成まで考慮した親身なアドバイスが期待できます。また、同じ県内や近隣県の企業同士を引き合わせる能力に長けており、顔の見える範囲での安心安全なM&Aを望む場合には適しています。

デメリット・注意点

一方で、マッチングの範囲が自行の取引先に偏りがちである点は否めません。買い手候補が県内企業中心となるため、全国規模で探せばもっと高い評価をしてくれる企業がいたとしても、その情報にたどり着けない可能性があります。また、銀行は融資先を失うことへの懸念から、積極的な提案がしにくい構造的な課題も抱えています。

事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センターは、国が全国の都道府県に設置している公的な相談窓口です。

メリット

最大のメリットは公平性とコストです。相談は無料であり、成約時の手数料も民間の仲介会社に比べて非常に安価に設定されています。利益を追求しない公的機関であるため、無理にM&Aを勧めることはなく、親族内承継も含めたフラットな助言をもらうことができます。小規模な案件や、個人事業主の承継相談にも丁寧に対応してくれます。

デメリット

基本的に相談に来るのを待つというスタンスであるため、民間の仲介会社のようなプッシュ型の提案営業は期待できません。登録されている買い手候補の中からマッチングを行うため、選択肢が限られる場合があり、スピード感の面でも民間より劣ることがあります。今すぐ相手を見つけたい場合や、より好条件での売却を目指す場合には物足りなさを感じるかもしれません。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、売り手と買い手の間に立ち、マッチングから成約までを一貫して支援する民間の専門業者です。

メリット

最大の強みは広範なネットワークと提案力です。首都圏や海外を含めた膨大な買い手データベースを持っており、業種や地域を超えた意外な企業とのマッチングを実現します。特に東北エリアから商圏を広げたい、あるいは業界再編の波に乗って大手グループ入りしたいといった戦略的なM&Aにおいては、仲介会社の活用が不可欠です。交渉のプロが間に入ることで、株価や条件面での調整がスムーズに進みます。

デメリット

成功報酬型の手数料が発生するため、コスト面での検討が必要です。また、会社によって得意な業種や規模、担当者の質にばらつきがあるため、実績や担当者との相性をしっかりと見極める必要があります。近年では、着手金無料の会社も増えており、リスクを抑えて依頼できる環境が整いつつあります。

M&A総合研究所が東北のM&Aに強い理由

数ある仲介会社の中でも、M&A総合研究所は東北エリアでの成約実績を急速に伸ばしており、多くの経営者から支持されています。

その背景には、従来のM&A仲介の課題を解決する独自の仕組みと、東北という地域への深い理解があります。東京の理屈を押し付けるのではなく、東北の経営風土に寄り添いながら、最新のテクノロジーを活用して最適な縁結びを行う。その具体的な強みを3つのポイントで解説します。

東北専任チームによる地域密着サポート

M&Aは単なる数値の取引ではなく、経営者の想いの引継ぎです。そのため、M&A総合研究所では東北エリアに特化した専任のM&Aアドバイザーチームを配置しています。

東北出身者や東北でのビジネス経験が豊富なアドバイザーが担当するため、地域の商慣習、県民性、そして地理的な事情を深く理解しています。例えば、雪国特有のビジネスの季節変動や、地元の名士・取引先との関係性など、数字には表れない機微を汲み取った上で、最適な提案を行うことが可能です。東京から来た担当者には話が通じないというストレスを感じることなく、安心して将来を相談できる体制を整えています。

AIマッチングによる全国からの買い手探索

「地元の銀行に相談したが、同業者ばかり紹介されて話が進まない」

このような悩みを解消するのが、M&A総合研究所が独自開発したAIマッチングシステムです。

過去の膨大なM&Aデータと企業情報をAIが解析し、人間では思いつかないような相乗効果の高い異業種の買い手や東北進出を強く望んでいる首都圏の優良企業を瞬時にリストアップします。これにより、東北にいながらにして東京水準の株価での売却や、自社の技術を高く評価してくれるベストパートナーとの出会いが実現します。地域内でのマッチングに限界を感じている経営者にとって、この全国網羅的な探索力は大きな武器となります。

完全成功報酬制でリスクを排除

東北の経営者の多くは、慎重で堅実な経営を信条としています。「相手が見つかるかわからないのに、高い着手金を払うのは抵抗がある」と考えるのは当然のことです。

M&A総合研究所は、こうした経営者の不安を払拭するため、完全成功報酬制を採用しています。着手金や中間金は一切不要で、M&Aが成約して初めて手数料が発生する仕組みです。万が一、成約に至らなかった場合、費用は1円もかかりません。これは、マッチング能力への絶対的な自信の裏返しでもあります。コストリスクを負うことなく、自社の市場価値を確認し、良い相手がいれば進めるという合理的な判断が可能です。

東北エリアのM&A成功事例

ここでは、M&A総合研究所が支援し、実際に事業譲渡を行った東北企業の事例をご紹介します。経営者がどのような背景で決断し、どのような未来を手に入れたのか、そのリアルなストーリーは、検討中の方にとって大いに参考になるはずです。

【宮城県・建設業】東北三上機材株式会社|復興から全国展開へ。若手社長が選んだM&A戦略

宮城県仙台市でクサビ式足場工事を手掛ける東北三上機材株式会社。代表の中川元基氏は、東日本大震災の復興需要を背景に会社を急成長させ、SNSを駆使した集客や求人で若手職人を集めるなど、先進的な経営手腕を発揮していました。しかし、ポータルサイト運営という新規事業への注力と、自身の新たな挑戦を模索する中で、本業である足場工事業のさらなる成長を、より資本力のある企業に託すことを決意します。

お相手となったのは、岐阜県に本社を置き、仮設資材の製造・レンタルを行う株式会社エヌ・エス・ピーです。メーカー機能を持つ同社グループに入ることで、東北三上機材は資材調達コストの削減と経営基盤の安定を手に入れました。中川社長は「M&Aは会社を売るのではなく、会社を次のステージへ進めるための戦略」と語ります。これは、後継者不在による消極的な選択ではなく、企業の成長と経営者のキャリアアップを同時に実現した成長戦略型M&Aの好例です。

(参照:https://masouken.com/interviews/124

【宮城県・廃棄物処理】株式会社築館クリーンセンター|74歳社長の決断。ファンドとの提携で描く未来

宮城県栗原市で産業廃棄物の中間処理・最終処分を行う株式会社築館クリーンセンター。売上高約20億円を誇る優良企業ですが、代表の白鳥氏は74歳を迎え、後継者問題に直面していました。親族内での承継が難しい中、施設の老朽化対策や、脱炭素社会に向けた高度な設備投資が求められる環境変化への対応も急務でした。

そこで白鳥社長が選んだパートナーは、日本成長投資アライアンスという投資ファンドでした。ファンドと聞くと、短期的な利益追求をイメージしがちですが、J-GIAは中長期的な視点で地域企業の成長を支援する方針を持っていました。提携後、同社はファンドの資金力を活用して最新設備の導入やDXを推進。従業員の雇用はそのまま守られ、組織体制が強化されたことで、会社は新たな成長軌道に乗っています。これは、地方の有力企業がファンドのノウハウを活用して永続性を確保したファンド活用型承継の成功モデルと言えます。

(参照:https://masouken.com/interviews/65

M&Aを成功させるための準備とタイミング

M&Aは、相手が見つかってから考えるのではなく、事前の準備こそが成否を分けます。

東北の経営者が、希望通りの条件で、かつスムーズに会社を譲渡するために、いつ動き出し、何を整えておくべきか。成功率を高めるための具体的な準備とタイミングについて解説します。

早期相談が選択肢を広げる

M&Aの検討において最も重要なのはタイミングです。鉄則は業績が悪化してからではなく、黒字で元気なうちに動くことです。

多くの経営者は「まだやれる」「もう少し業績を上げてから」と考えがちですが、経営者の高齢化や体調不良、市場環境の急変は突然訪れます。業績が下降局面に入ってからでは、買い手がつかない、あるいは買い叩かれるリスクが高まります。逆に、業績が好調で将来性がある段階であれば、多くの買い手が手を挙げ、売り手市場の中で有利な条件を引き出すことができます。

また、準備期間を十分に設けることで、磨き上げを行う余裕も生まれ、従業員や取引先への説明も丁寧に行うことができます。「まだ早いかな」と思う時期こそが、相談のベストタイミングなのです。

決算書の整理とコンプライアンス確認

いざM&Aの交渉が始まった際、デューデリジェンスで破談になったり、価格を減額されたりする最大の原因は会計と労務の不備です。

地方の中小企業によく見られるのが、経営者個人の支出と会社の経費が混同されているケースや、在庫の評価が実態と合っていないケースです。これらは修正が必要となり、利益の実額が変わることで株価に影響します。また、未払い残業代の有無や、社会保険の加入状況といった労務コンプライアンスも厳しくチェックされます。

M&Aを目指すのであれば、数年前からこれらの項目を整理し、透明性の高いきれいな決算書を作っておくことが、買い手からの信頼獲得とスムーズな成約への近道となります。

まとめ

東北エリアのM&A市場は、後継者不足という課題と、地域資源への再評価というチャンスが重なり合い、活況を呈しています。建設、食品、医療、観光など、東北の主要産業において、M&Aは単なる事業の売却ではなく、企業を存続させ、成長させるための前向きな戦略として定着しました。

重要なのは、東北特有の評価ポイントを理解し、自社の強みを正しくアピールすること、そしてまだ早いと思える段階から準備を始めることです。M&A総合研究所のような、地域の事情に精通し、かつ全国へのネットワークを持つ専門家を味方につけることで、東北にいながらにして最良のパートナーと巡り会うことも可能です。

まずは一度、企業の価値算定や情報収集から、最初の一歩を踏み出してみてはいかがければでしょうか。

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